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修理はまさに「ジャンケン」の世界

先日お預かりしたカルティエの修理。



お持ち込みいただく前にブレスレットから革ベルトに交換したのですが、
その際に時間を合わせようと思いリューズを引くと…
「秒針が止まらない」
その旨お客様に伝えた後に、
やはりオーバーホールもしたいとのことでお受けしました。

今回はオーバーホール、ゼンマイ交換、ヒゲゼンマイ修正が必要ったのですが…
職人さんから連絡があり
「ケースネジが接着で止まっているのと一部社外品だよ」
これまたビックリ‼
サントスの初期型はベゼルからケースまで両ネジで止めているのですが、
ネジの状態は分解しないとわかりません。
幸いなことにウチに中古ですが純正のネジがいくつかありましたのでこれで対応。
何よりネジがケースから外せたのはラッキーでした。

このサントス系の初期型は年数が経っているので、
ネジのサビ、ブレスレットのビスのサビなど、
経年でサビや汚れが固着して外せないことがあります。
本当にメンテナンスをされている個体であれば外せますが、
個人売やメンテンナスしていない現状販売のものは注意が必要。
最悪の場合はネジ山を切って無理矢理外したり、
ブレスピンは削ってブレスレットを外します。
そうなると元のパーツは当然のことながら使えません。

今回は思ったほど重症ではなかったので金額もそこまでかからなかったと思います。

オーバーホール¥25,000+tax
ゼンマイ交換、ヒゲゼンマイ修正¥10,000+tax
ケースネジ3本サービス
送料サービス

ケースネジは本当は有料にしたいところですが、
中古パーツだし折角の修理依頼だったのでサービスしました。
これでまた長く使えますね‼

最近、職人さんに言われるのが、
古い時計は言わば「ジャンケン」なんです。
目の前に来て裏蓋を開けて状態がどうなのか?
外装を触る時にネジ1本外せるのかどうなのか?
中にはスンナリ修理ができることもありますが、
大抵の場合は何かしらのトラブルが付いてくるもの。
それが直せるレベルならまだ良いですが、
そうでない場合は…

修理一つとっても今回の金額で済んだら良い方ですが、
全てが一律同じ状態ではないので修理代金もそれぞれ変わります。
持ち込みの修理でもしっかりと対応させていただきますが、
これもまた「ジャンケン」と一緒なんです。
ネジが外れなかったり、ピンが抜けなかったり、
それこそ裏蓋が開かないなんてことも有り得ます。

「時計を買う」場合も同様に多くの要素があります。
色々な要素が重なり合ってお店に並んでいる時計たちは動いています。
「お店で買う」というのは値段以上の価値があると思うので、
私達は店舗を構え運営しています。
それはお客様が「ジャンケンに勝つ」ためでもあります。

自身の運試しをしたい方は別として、
店頭で並ぶ商品が「なぜその値段なのか」はちゃんとした理由があります。
ただ値段が高いと嘆いて値段だけでしか判断しないのであれば、
自分の運を試してみるのも一つの手段。
その後はどうなるかわかりませんが、
遠回りをせずに確実にジャンケンに勝ちたいのなら、
「ちゃんとコミュニケーションを取る」こと。
それが何より確実な一番の近道。

お金は生きていく上で大切なものなので「値段が安い」というのも一つの判断基準。
しかしそれ以上に大切なのは「時間」だと思いますので、
時計を選ぶ際に自分が持つ時間も大切にされてみてはいかがでしょうか?
時計は時間を表示する道具ですから…

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