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これが日本の究極の時計

当店で過去最高値となったグランドセイコー1st。
数年ぶりに「彫文字盤」が入荷してきましたがコンディションの良い個体は本当に減りました。
今回はこのGSについて。

もはや説明不要かもしれませんが一応ご存知でない方もいるかもしれないのでご説明すると、
GSファーストは文字盤が大きく分けて3種類。
「GrandSeiko」のロゴがプリント、手彫り、アップライトといった順番で、
生産最初期はプリントと手彫りが一時期併売されていたそうです。
プリントは高級感が無いとのことで販売直前に廃止される予定でしたが、
一部の文字盤の変更前のものが流通していたとされます。
その後、手彫り文字盤が主流となるのですがコストが掛かるので廃止。
高級感のあるアップライトとなったそう。

つまりプリントは最も数が少ないとされており、
当店でも過去に1回だけ入荷したことがあります。
そして彫文字は2タイプ確認されており文字盤全体にツヤがあるものとツヤ無し。
比べないとわかりませんが最初期のツヤありは非常にキレイなツヤ感があり、
現在かなり高値で取引されているそうです。
今回の入荷分はツヤ無しの後期型。
さらにアップライトはSD、AD、表記無し、書体違いの4つ。
さらに裏蓋は2タイプを確認。
生産期間は1960年~1963年となるので、
この短期間で様々なマイナーチェンジを行われたのは他には類を見ません。
ち・な・み・に、
外装はこんな違いがあるのですが中の機械はと言うと…
これ結構極秘級の話なので詳しく書けませんが、
最初期だけある違いがあるんです。
というか今更ですがこんな説明されても意味がよくわかりませんよね(笑)

と、長々と説明してきましたが、
個人的にはこの彫文字盤にこそ日本の時計らしさを感じるのです。
そりゃ採算度外視で始まったこの時計。
日本が世界の時計に対してどれほどのことができるのかという挑戦ですから、
当時の持てる技術をつぎ込んだわけですね。
それを象徴するかのような裏蓋の獅子マークなんて男前すぎやしませんか?




時計が本当に好きならGSファーストは一度は憧れる存在。
この時計が自分にとって人生の上がり時計なのでいつかは欲しい。
でもウチのお店はお客様最優先なのでお店をやめるときにしか買えない…
つまり永遠にその日は来ないんです(泣)

でもって先ほども説明した通り文字盤のロゴを手彫りで彫る…
今では本当に考えられませんがこの行為そのものが異常としか言えません。
現在のようにレーザー彫りなどができなかったのかもしれませんが、
こんなに莫大なコストを掛けてでもこの世にGSを送りだしたという所は感動そのもの。




パッと見た瞬間は気付きにくいですが、
間近で見ると本当に細かい書体で文字盤に彫り込んでいるんです。
プリント文字盤は珍しさは随一でも正直安っぽく見える。
アップライトはそこそこコストが掛かると思うのですが、
彫文字盤こそ日本の技術の高さを証明する一品ではないでしょうか?

では最初に書いた当店での最高値の意味とは…?

ウチのお店は別に珍しいものを売って儲けてやろうとか思いませんし、
希少だからと言って足元を見たりはしません。
確かに彫文字のGSファーストは珍しいですが同じ時計を扱っているお店では一番安いはず。
今回はコンディションもかなり良く非常に自信を持っておりますが、
今後の入手は本当に難しい。
なぜか?
「日本人のアナタ達がこの時計を評価しなさ過ぎたから」なんです。

海外ではセイコーがかなりブーム。
ロレックスやオメガの人気モデルが高騰しすぎてなかなか買えなくなっているのは世界共通。
では「次に来る時計は?」となると、
メンテナンス性や品質の高さ、デザインの良さを考えると日本製は外せない選択肢。
情報に敏感な人たちは数年前から日本からコンディションの良い国産を海外へ持ち出しています。
つまり日本にいながら日本製の素晴らしさに気付けず、
海外で盛り上がったところでブームに相乗りしてしまう日本のユーザーの感覚の遅さが、
こういった状況を招いているとも言えます。
かつてのロレックス・GMTマスターの時と同じです。

今回のファーストの値段は他の時計の選択肢も見据えられる高値。
それは重々承知していますが、
そもそも仕入れの値段が爆上がりしているので、
これでも結構頑張っている方です。
仕入先の業者さんもウチに卸さず海外に流した方が儲かるはず。
現に海外からのオファーも絶えない方なのに敢えてウチに卸してくださるということは、
少なからずとも同じ想いがあるからかもしれません。

今も昔も時計の品質は海外製品と比べて決して引けを取らない、
むしろ超えている部分も多い。
でもデザイン性がイマイチ振るわなかったせいか華やかさのある舶来品に比べると地味な存在。
しかし本質的なものの見方をされる方も増えた現代では、
国産の品質の良さは多くの方たちにとっても納得できるはず。
どちらにも良い部分もあればそうでないところもありますが、
やっぱり国産腕時計の最高峰と言われるグランドセイコーの素晴らしさは、
時計好きを自負される方には触れていただきたい一品。

先日より店頭で並べてありますので、
まだ見たことが無い方、国産腕時計に興味がある方、本当に良い時計を知りたい方など、
ぜひぜひお立ち寄りください。
こんな機会はそう多くありません‼

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