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特に気を付けた方が良い1980年代以降の時計

過去に何度も、
恐らく世界で一番?
時計は「メンテナンス」が大事だと言ってきましたが、
時計を購入の際に特に注意して欲しいのが、
「1980年代以降」の時計。

1980年代はクォーツ時計全盛の時代でもあるので、
機械式腕時計が衰退した暗黒時代でもあります。
かのパテックフィリップも一度倒産したと言われ、
ロレックスも1989年は時計の製造をストップしたそう。
そこからメディア戦略などを駆使し、
見事に機械式腕時計の時代を再び築き上げたとされますが、
当時をご存知の方は多分納得してもらえるはず。
「高級時計が今に比べずっと安かった」

高級時計が安いというのもチグハグな話ですが、
安いと言っても高価であることに変わりはありませんが、
大体の時計が今の半額くらいというイメージで良いと思います。
理由の一つとしてクォーツ時計に対抗したのではないかと推測されますが、
それと同時に機械式腕時計の「ハイビート化」も、
クォーツ時計への対抗から成されたと思います。

ロービート、ハイビートは機械式腕時計に興味があれば一度は聞いたことがあると思いますが、
機械の精度を上げるためにハイビート化はクォーツ時計の精度に対抗するのであれば、
絶対にやらざる負えない機械式腕時計の宿命みたいなもの。
ハイビートはわかりやすく言えば全力疾走で走っているようなものなので、
精度が出る分、パーツへの負担は大きい。

でも時代の流れを考えて、
ほぼ時間が狂わないクォーツ時計が主流で、
時間が狂う機械式腕時計を誰が欲しがるか?
しかもクォーツ時計よりもずっと値段が高い。
今のような時計のステータスだのなんだの言われる前の時代。
どうせ買うなら安くて狂わない方が良い。
誰もがそう思うはず。

そういった経緯もあって1980年代以降で、
ほとんどのブランドが作る機械式腕時計はハイビート化された機械を搭載しています。
そういった技術力がないブランドは、
汎用ムーヴメントつまり機械を製造するメーカーから機械を仕入れて時計を作る。
ムーヴメント製造メーカーと言えば「ETA」は最大級のメーカーで、
ちょっと時計に詳しい方なら絶対に知っていますよね?

そして壊れにくいクォーツ時計に対して、
いかに壊れにくい機械式腕時計を作るかというのも重要な課題だったはず。
よく「ロレックスはほとんど壊れない」なんて言われますが、
実際に1980年代以降のハイビート化されたロレックスは構造上壊れにくい。
それ故ほとんどの方がメンテナンスをしない。
これが後々かなり重大な故障の原因になります。

先ほど書いた通りハイビートの機械は全力疾走で走っているようなもの。
そして以前のブログでも書きかましたが機械に絶対必要なのが機械油。
これは5年内で完全に乾ききるので、
油の無い機械を無理矢理動かせば負担が大きいことは言うまでもありません。
人で言えば全力疾走で走って水分補給をしなければどうなるか?
つまりメンテナンスをしていない時計はいずれ止まります。

以前お預かりした時計も20年以上オーバーホールをしていなかったので、
ローター芯が擦り切れて無くなっていました。
パーツが手配できるものだから直せたものの、
これがパーツ入手ができなければ修理ができませんし、
メーカーに出すにしても修理代はめちゃくちゃ高い。
さらにメーカーが修理をしなければ…
その時計には成仏してもらうしかありません。

メンテナンスの重要性はもちろんですが、
現行品より少し古ければ値段も少し安い。
でもそれは中古品の場合がほとんどなので、
先ほどの通りメンテナンスを行っていない可能性も十分にあります。
これが個人売で買うとなれば…
ウソをつかれても買った人が悪いとなります。
それで高い修理代を払うとなれば、
最初からケチらずお店で買った方が良いとなるわけです。

1980年代以降の時計は良くも悪くも壊れにくいし精度もよく出る。
反面ちゃんとメンテナンスをしなければそれなりに修理代金はかかる。
自分たちとしても直せる時計は可能な限り直しますが、
直せない時計が存在するのも事実。
できれば定期的なメンテナンスを行ってほしいと思うのですが、
実際のところはメンテナンスを行う方の方が少ない。
特に思い入れを持って買った時計であれば、
できればというよりは絶対にメンテナンスをして欲しい。




1980年代~2000年代に爆発的に売れたオメガ・スピードマスターオートマティック。
確かもう廃盤になったと思いますが、
自分が二十歳くらいの時に初めて買うブランド時計の代表格の一本。
でも二十歳くらいじゃお金が無いから中古しか買えなかった記憶があります。

こちらのオーナーも20年くらい前に買って以来、
一度もメンテナンスをせず結局止まったまま何年も経過したそう。
でも思い入れがあるから直して使いたいということで、
今回もしっかりとメンテナンスを行いました。

オーバーホール¥40,000+tax
新品仕上げ¥10,000+tax
ゼンマイ交換¥8,000+tax
合計¥63,800

修理代金は決して安くありませんが、
過去の思い出が時計と一緒に蘇ると思えば、
決して悪い出費ではないはず。
これでまた時計を使うことができるし、
定期的にメンテナンスを行えば誰かに引き継ぐこともできる。
そう考えれば時計のメンテナンスをしない理由はありません。

こうやって直せる時計だからこそ人気が出たのだろうし、
現に止まった状態でもしっかりと直すことができます。
もし昔買って止まったままの時計があれば、
ぜひぜひ一度ご相談してみてくださいね‼

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